損害保険の中には「交通乗用具」を対象とした保険があります。
例えば交通傷害保険なら交通乗用具に乗っている間に怪我をして病院に通院すると契約した傷害保険金が支払われます。
ここで言う交通乗用具ってなんだろう？と思ったりしないでしょうか。
各種保険約款を見ると記載があるものの、あまり目を通す人は多くない印象なので当記事で取り上げてみたいと思います。
交通傷害保険における交通乗用具とは
軌道上を走行する陸上の乗用具
汽車、電車、気動車、モノレール、ケーブルカー、ロープウェー、いす付リフト
※ ジェットコースター、メリーゴーラウンド等遊園地等で専ら遊戯施設として使用されるもの、ロープトウ、ティーバーリフト等座席装置のないリフト等は除きます。
軌道上を有しない陸上の乗用具
自動車（スノーモービルを含みます。）、原動機付自転車、自転車、トロリーバス、人もしくは動物の力または他の車両により牽けん引される車、そり、身体障害者用車いす、乳母車、ベビーカー、歩行補助車（原動機を用い、かつ、搭乗装置のあるものにかぎります。）
※作業機械としてのみ使用されている間の工作用自動車、遊園地等で専ら遊戯用に使用されるゴーカート等、一輪車、三輪以上の幼児用車両、遊戯用のそり、スケートボード、キックボード（原動機を用いるものを含みます。）等は除きます。
空の乗用具
航空機（飛行機、ヘリコプター、グライダー、飛行船、超軽量動力機（モーターハンググライダー、マイクロライト機、ウルトラライト機等）、ジャイロプレーン）
※ ハンググライダー、気球、パラシュート等は除きます。
水上の乗用具
船舶（ヨット、モーターボート（水上オートバイを含みます。）およびボートを含みます。）
※ 幼児用のゴムボート、セーリングボード、サーフボード等は除きます。
その他の乗用具
エレベーター、エスカレーター、動く歩道
※立体駐車場のリフト等専ら物品輸送用に設置された装置等は除きます。
交通傷害保険・ファミリー交通傷害保険は、護送船団方式が取られていた全社共通商品時代から存在する傷害保険の一種です。
このため、交通乗用具の定義は各社ほぼ同様と思って差し支えありません。
一方、当サイトで扱っている損保ジャパンのUGOKU保険と上記交通傷害保険の交通乗用具を比較すると、殆ど同じではあるのですが、軌道上を走行する陸上の乗用具にガイドウェイバスが、水上の乗用具にカヌーが追加されています。
各保険会社で若干の違いが見られると思われますので、ご自身の加入した保険や検討中の保険の約款を是非確認してみて下さい。
比較が面倒！という方は本記事の交通乗用具を眺めて頂ければ概ね問題ないかと思います。
最近流行りのキックボードに注意
一般的な交通傷害保険ではキックボードは人力（足蹴り）でも原動機付でも補償対象外となっています。
当サイトで扱っている損保ジャパンのUGOKU保険だと人力のキックボードは補償対象外ですが、電動機付きは補償対象になっています。
保険会社と言うより各保険商品で扱いが異なってる部分がありますので、キックボードをお使いの方は注意いただきたい部分になります。
今までの説明は、ご自身がケガを負った時にケガの補償になりますので、賠償事故の補償と勘違いしないようお願いいたします。
電動キックボードの賠償（加害）事故に備えるには？
念のために電動キックボードの対人・対物事故の備えをどうすればいいかですが、定格出力1．0キロワット以下の電動キックボードは「原動機付自転車」として扱われており、原付を対象とした自動車保険に加入すると加害事故等で補償対象となります。
自分や家族が他に自家用車を持っている場合はその自動車保険にファミリーバイク特約を付帯すれば電動キックボードも補償対象になります。
保険の種類・性格に注意しましょう
対人賠償保険・・・第三者を負傷させた場合の金銭面の賠償責任を肩代わり
対物賠償保険・・・第三者の財物を損壊・汚損等をした場合の金銭面の賠償責任を肩代わり
傷害保険・・・偶然な事故によりケガを負った際の死亡・後遺障害・入院・通院の保険金を補償（定額補償）
人身傷害保険・・・偶然な事故によりケガを負った際に死亡・後遺障害・治療費・通院費・休業損害を補償（実費補償）
保険での備えを大きく分ければ他人への賠償（加害事故）か、自分への補償（被害事故）かという事になります。
そしてそれぞれ、人と物の2種類の保険が存在しています。
これらを組み合わせた保険の集合体が自動車保険だったりもします。
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